ワーホリの定番の仕事といえばジャパニーズレストラン、通称ジャパレスですよね。
でもこんな意見、聞いたことないですか?

ジャパレスって日本人ばかりで英語力伸びないよ~。
せっかくワーホリに来たのなら、英語環境でバリバリ働きたい!と考える人が多いのではないでしょうか。確かにジャパレスは、その特性上日本人の従業員が多いような気がします。
さらに、



ジャパレスの仕事は日本のバイトと変わらない感じできついよ~。
なんて意見も耳にします。こちらも、せっかく海外に来たのに日本のような環境で働くのはちょっと嫌だという人が多いですよね。
ワーホリではたくさんの日本人がジャパレスで仕事をしていますが、
本当にジャパレスで働くのはやめといたほうがいいのでしょうか?
そこでこの記事ではバンクーバーでジャパレス勤務経験がある私が、以下のことについて紹介していきます。
- ジャパレスの職場環境はどんな感じ?
- ジャパレスで働くことの一般的なメリット
- ジャパレスで働くことの一般的なデメリット
- 実際に1年間ジャパレスで働いてみたリアルな経験談
- ローカルの職場で働きたいならこれをしろ!ワーホリ就活Tips
それでは早速見ていきましょう。


ジャパレスで働くことはぶっちゃけおすすめか?
まずは記事に入る前に、ジャパレスで働くことの個人的な意見から書かせていただこうと思います。
巷では、ジャパレスで働くことに関してあちこち意見が飛び交っています。「ジャパレス<<<ローカルの職場」みたいな、ローカル至上主義的な人も一定数いるなか、個人的には色々複雑な思いがありますので、その気持ちをとにかく並べますね。



英語力伸ばしたいならマジでおすすめしない。周りは日本人かノンネイティブの同僚ばかり。日本の居酒屋バイト的な感じで労働環境は良いとはいえない。日本以上に接客マナー厳しいし、支払われるべき手当とか払われないこともザラ。希望した日に休み取れないことも多い。(もちろん職場によるけど)
とはいえ、日本食は人気なので稼げるし、日本人を始め友達はたくさんできる。ワーホリをただ楽しみたいっていう人には普通におすすめの仕事。
あとは日本人が海外にいる強みって、日本の文化を英語で説明できることだから、ジャパレスで働いて日本の食文化を紹介することはある意味日本人が海外にいる意義。
私はジャパレスで1年勤務したあと、ローカルの老人ホームで働いているので、どちらの職場も経験しています。どちらにも良さがありますが、英語力の面だけで言えば、
ジャパレスでの1年より、ローカルでの半年の方が、英語力が伸びた
と感じています。この経験から、本気で短期間で英語力を伸ばしたいという人はジャパレスはおすすめしないなと思います。



どれだけ英語がペラペラのノンネイティブでも、やっぱりネイティブの話す英語とは全然違うのだ。
ただジャパレスで友達もたくさんできましたし、収入面もかなり支えられました(笑)というわけで、私はジャパレスに対して良い意見も悪い意見も持っています。
というわけでこの記事ではできるだけ公平な観点から、ニュートラルにジャパレスで働くことについてをまとめていきたいと思います。


ジャパレスの職場環境は?バンクーバーで働いたリアルな経験談!
まず言いたいのは、もちろん職場環境はジャパレスによります。ここで紹介するのは、あくまでも「こういうところが多い」、「こういう傾向がある」というものです。
まずジャパレスのオーナーですが、実はその大半は日本人ではありません。中国人、韓国人をはじめアジア人が経営するお店が多いです。その中に混じって、日本人経営の店やカナダ人が経営している店があるという感じです。


カナダの定番のお寿司はこんな感じの豪華なロール。クリームチーズやマンゴーが入っていたり、上にトッピングが乗っていたり、カナダ向けにアレンジされていますね。
ちなみに日本人が経営しているところはメニューが日本っぽいのでけっこうわかりやすい(納豆巻きがあったりとか)。
そのため、ジャパレスで働くからといって日本語だけ使用するわけではありません。オーナーやマネージャー、シェフたちは日本人以外であることが非常に多いです。



特に接客をする場合は、ちゃんと英語力が求められます!キッチンの場合は日本人も多く、日本食を作れる人が求められているので英語力なくても採用される可能性が高い。
あとはこれはちょっとマイナスな面なのですが、結構違法な労働環境なところって多いんですよね…。ローカルの人たちが経営している店はちゃんとしていることが多いのですが、なぜかジャパレスって、残業、手当が支払われない、休みを取らせてもらえないなどのトラブルが多いのです…。(特に私がいた2021年頃のバンクーバーではそんなジャパレスが多かったです。今はどうなのでしょう)



私のいたところは、法律で定められている祝日手当と残業手当が出ませんでした。さらに私の最後の給料500ドルは支払われていないままもう4年が経ちます。
なんか日本のアルバイト時代の労働環境っぽいなあと思いながら、まあそんなものかと思い働いていました。でも今はローカルの職場で働いているからわかります。あれは異常なことでした。
同僚には日本人が多かったです。やはりジャパレスという性質上、日本人を多く採用していましたね。そのほうがジャパレスとしての信頼性が高まるからでしょうか。
ジャパレスではどんどん新しい留学生が入ってくるため、本当に友達がたくさんできました。もちろん日本人以外の人ともたくさん仲良くなりました。日本に帰ってからも仲良くできる友達ができたのは嬉しいことですね。
そして接客についてです。私はサーバー(ホールの仕事のことです)をしていましたが、正直なところ接客マナーは日本よりも厳しいです。多くの人は、海外の接客ってフレンドリーな感じでお客さんともフランクに喋って、なんか楽しそ~と思うかもしれませんが…
実際はそんな甘くありません。
なぜかというと、欧米ではお客さんは手を挙げてスタッフを呼ぶことをしません。オーダーを取るのも、飲み物のお代わりも、味の確認に行くのも、すべてスタッフが適切なタイミングで声掛けをする必要があります。



常にお客さんのテーブルをチェック。お水が無くなってたら、スタッフのほうからお代わりいる?と声をかけに行きます。お客さんは基本アイコンタクトをしてくるか、特に何も言わず店員を待つのみです。
これはレストランのレベルにもよりますが、ファストフード店やカフェではない限りレストランはすべてこのスタイルです。なのでこれをミスしてしまうと、お客さんは怒るしマネージャーにもかなり叱られる…。私の職場はちょっと高級路線のお店だったので、これはかなりプレッシャーでしたね。
というわけでジャパレスで働いた総評ですが、本当に日本の飲食バイトと大して変わらないというのが私の一貫した感想です。個人的には日本で国家公務員として2年働いたあとにジャパレスで働いたので、「学生時代に戻ったようだ」とも感じました(笑)



特に社会人留学生で、留学でキャリアアップをしたい!と思っている人はジャパレスはちょっと物足りないかもね。
ちなみに、日本人の少ない比較的小さめの都市のジャパレスでは、ローカルの同僚やオーナーが比較的多いです。日本語を絶対使いたくない!という人は、留学生の少なそうな都市を狙うのがおすすめです。
ジャパレスで働くことの一般的なメリット


自分でもこの記事を書いていて、ジャパレスはなんだかマイナス面が多そうだという気がしてきましたが、もちろんそうとも限りません。
ジャパレスの仕事を楽しくやって充実したワーホリを過ごしている人もいますし、ジャパレスでも日本人が少なくネイティブの同僚が多い場合もあります。



私の住むビクトリアでも、日本人スタッフがほぼいないジャパレスもある。
というわけでジャパレスで働くメリットを紹介します。
- メリット①日本人は採用されやすい
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ジャパレスはどこも、日本人スタッフを欲しがっています!やはり日本人がいることでレストランの信頼性が高まるからではないでしょうか。マネージャーに日本人がいることも多く、日本人が優遇されることが多い印象があります。
ワーホリの仕事探しは意外と難関です。何カ月も仕事が全く見つからないということも珍しくないため、「とりあえずジャパレスに応募しよう…」という人も少なくありません。仕事探しに苦戦している際はぜひ。
- メリット②友達が作りやすい
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同僚に日本人が多いということで、友達を作りやすいです。せっかくのワーホリなので日本人以外の人と仲良くなりたい気持ちがあると思いますが、やはり自分の母語で会話ができる相手とは距離が縮まりやすいものです。
ローカルの職場でも友達できるでしょ!という意見は確かにその通りですが、ローカルの人たちはわざわざ留学生と友達にならなくても学校や地元の友達がいるんですよねえ。
なので、職場外で遊ぶほどの仲になるのは実はちょっと難易度が高いという現実があるのです。
- メリット③英語力が足りなくても採用してもらいやすい
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ジャパレスは日本人の同僚が多いので、日本語でのサポートも手厚いです。特にキッチンの仕事では、英語力が無くても採用してもらえる可能性が高いです。
マネージャーやオーナーが日本人の場合、面接すら日本語で行われる場合があります。英語はまだまだ勉強中だけど、仕事がしたい!という人はおのずとジャパレスで働くことになりますね。
- メリット④日本食文化を英語で伝える勉強になる
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日本人が海外で働く理由の1つは、「日本人にしかできないことをする」だと私は思います。そしてその1つは、ジャパレスで働くことです。
日本の食文化を説明するのは、ネイティブの日本人だからこそできること。ポン酢とはなにか?海苔とはなにか?すき焼きはどうやって食べるのか?など、外国の人が知らない日本の文化を英語で説明するスキルが身に着きます。
これはワーホリ後に英語を使って日本で働きたい!と考えている人にとっても役立つスキルだと思います。
- メリット⑤就労ビザのサポートをしてもらいやすい
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現地での滞在を続けたい!という人は、ワーホリビザが切れるまでに就労ビザを申請する必要があります。他の国の事情は詳しくありませんが、私の住むカナダではこの就労ビザをサポートしてくれるスポンサーが必要になります。
ジャパレスでは、日本人のビザをサポートしてくれるところが多いです。日本人が経営するビザエージェントと提携しているお店も多いですしね。
一部の人からは「ジャパレスで働くのは最悪」と思われている面もありますが、ジャパレスならではのメリットもたくさんあることがおわかりいただけたでしょうか。
ジャパレスで働くことの一般的なデメリット


続いては、ジャパレスで働くことのデメリットについて触れていきます。火のないところに煙は立たないというように、ジャパレス反対派にもそれなりの意見があるわけです。
ジャパレスで働く前に知っておきたいデメリットについて、見ていきましょう。
- デメリット①英語力が伸びにくい
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ジャパレスの同僚は日本人が多いです。特にキッチンでは、英語なんて要らないという環境であることも珍しくはありません。
本気で英語力を身に着けたい人にとって、この環境はあまり好ましくないでしょう。
接客をする際はもちろん英語を使いますが、接客英語って実はとても簡単です。一度覚えてしまえば、話すことはいつもだいたい同じです。接客で英語を使っているだけでは、日常会話がペラペラできるレベルにはならないと、私は断言します。
日本人以外の同僚ももちろんできると思いますが、私の経験上は日本人以外の同僚は同じくノンネイティブの学生であること多かったです。ノンネイティブ同士の会話では、なかなかはいレベルなスムーズな会話を習得することは難しいです。
やはり英語は耳で覚えるので、相手の話す英語も間違いが多かったり簡単だったりすると、なかなか英語力って伸びなんですよね。
- デメリット②日本のアルバイトと変わらない厳しい労働環境
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ジャパレスの仕事は、日本の飲食バイトとそんなに変わりません。これは特に、ローカルではないジャパレスに当てはまることですね。
雑談はダメ、暇な時間はとにかく仕事を探して動き回る、お客さんに最高のサービスを(お客様は神様の精神)、などなど、もちろん全ていいことではあるのですが、他のローカルの店に比べてルールが厳しいなという印象です。雑談はダメ、暇な時間はとにかく仕事を探して動き回る、お客さんに最高のサービスを(お客様は神様の精神)、などなど、もちろん全ていいことではあるのですが、他のローカルの店に比べてルールが厳しいなという印象です。
- デメリット③ブラック企業には要注意
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決してすべてのジャパレスに当てはまることではありませんが、ブラックなジャパレス、結構多いです。経験上、留学生の多い大都市に多いですね。
残業代・祝日手当が支払われない、チップの流れが不透明、休みの申請が通らない、とにかく働かされるなど、アジアの職場の常識をそのまま持ってきているオーナーが結構いるんですよね。
- デメリット④ローカルジョブに比べ賃金が低いことも
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北米では特に、飲食店の仕事はチップがもらえるため最低賃金で働かされることが多いです。
それを踏まえても、ローカルのレストランなどではサーバーでも最低時給以上の時給がもらえることも珍しくないのに対し、ジャパレスでは全員最低賃金で勤務することが当たり前の印象があります。
私がローカルの職場の面接で驚いたことは、「いくらほしい?」と聞かれたことでした。ジャパレスではそういったことはなく、全員有無を言わさず最低時給ですね。確かに自分がもらうお金について交渉するというのは、あまり日本人にとっては馴染みがないかもしれません。
中には最低時給以下で働かされる劣悪な環境のジャパレスがあるという噂も耳にしますので、くれぐれも気を付けてくださいね。
というわけでジャパレスのデメリットを紹介しました。
労働環境に関するデメリットが多いですが、「まあワーホリの1年間だけだし、いいや」という人はあまり気にならないかもしれません。(そういうこともあって、ジャパレスはブラックな環境が多いのでしょうね…)
トラブルに巻き込まれないために!絶対守りたい注意点


というわけで、ワーホリで働く際にトラブルに巻き込まれないために注意するべき点を紹介します。今回の記事ではジャパレスが軸ですが、ジャパレスに限らずどんな職場でも共通することだと思います。



私は2021年からカナダに住んで働いており、ジャパレスもローカルジョブも色々経験しました。その経験を踏まえて、身を守るための方法を教える!!
現地の労働基準法は把握しておこう!疑問点は話し合うこと
現地の労働に関するルールは必ず把握しておきましょう!留学生が法律をよく知らないことを利用して、不当な扱いをする雇用主も残念ながら一定数存在します。
例えば以下のような点は要チェックです。
- 最低賃金が支払われているか
- 残業代・祝日手当がもらえる条件
- Sick Pay(病気手当)がもらえるか
- Vacation Pay(有給休暇手当)がもらえるか
例えば私の住むカナダのBC州では、Hours of Work and Overtime Factsheet – Japaneseのように労働時間等について日本語でまとめられた説明書が作成されています。こういったものに目を通しておきましょう。



私は祝日手当がもらえなかったのでマネージャーに聞いたところ、「うちはスモールビジネスだからそういうのはない」と言われて納得してしまいました。今ならめっちゃ言い返せるのに!という気持ち。
面接は面接されるだけじゃダメ!疑問点はすべてクリアに
英語面接って緊張しますよね。しかもワーホリに来て初めての面接となると、仕事が欲しい焦りや緊張で、「採用されればなんでもいい!」という気持ちになってしまうことだと思います。
だからといって、面接でイエスマンになることはおすすめしません。
「いつ入れる?」→「いつでもオッケーです!」、「残業代出ないけどいい?」→「全然気にしません!働ければ!」
こんな調子だと、都合のいい留学生が来たと思われてしまいます。採用はされると思いますが…。
面接では、相手のことも面接しているくらいの気持ちで挑みましょう。
- 時給はいくらか?昇給のチャンスはあるのか?
- チップの割合はどれくらいか?
- 手当はちゃんと支払われるのか?
- ベネフィットはもらえるか?
など、働き始めてから聞きにくいことはあらかじめ聞いておけるといいですね。
大切なことは口頭契約禁止!書面やメールで証拠を残そう
これは私の実際のミスから学んだ、超重要注意事項です。大事なことは口約束で済ませないこと。これに尽きます。では、私が実際に犯したミスを紹介しましょう。
当時の私はカナダ1年目、Coop留学生としてジャパレスで働いておりました。 Coopのビザからワーホリビザに切り替えるタイミングでそのジャパレスを辞め、一時帰国を予定していたので、オーナーと次にカナダに戻ってきたときに最後の給料を受け取る、という約束をしました。
今思えばこれが大間違いですね。もらえるときにさっさともらっておくべきだった。
さらにこれはただの口約束。でも私は純粋(笑)だったので、ちゃんと守ってもらえると思っておりました。
そして一時帰国を終えカナダに戻り、当時のオーナーに連絡しました。
すると、「そんなお金はない。給料はちゃんと支払っている。」の返事が。でも支払われた記録もないし、私の最後の小切手もどこかに残っているはずなのになぜ、と思いましたが、「もう払った」の一点張り。
私自身も証拠がなく、「お金を盗もうとしているやつ」と思われても嫌なので泣き寝入りとなりました。
というわけで、500ドル近いお金を失い、その間は結果としてタダ働きをしていたということになりました。とほほ。
【まとめ】ジャパレスはメリットもあるけどデメリットも理解しよう


というわけで、ワーホリでジャパレスで働くことについてまとめました。メリットとデメリットの両方を理解していただけたのではないかと思います。
個人的にはせっかく海外に来たなら、ジャパレス以外の場所で新しい文化に触れることがおすすめかなと思いますが、ワーホリの目標は人それぞれです。
ジャパレスは日本語も話せて居心地がいいですし、デメリットはあれど短期間のワーホリを楽しく過ごすという観点ではいい仕事だと思います。賄いで日本食も食べれますしね。
ただ、英語を本気で伸ばしたい、日本ではできない経験がしたいと強く思うならば、ぜひローカルジョブを手に入れてほしいです。
ワーホリでは仕事の掛け持ちや転職は自由なので、両方経験することができたら素晴らしいですね。
ここまでお読みいただきありがとうございました。みなさんのワーホリを応援しています。




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