カナダは留学先として人気の高い国の1つです。
カナダと言えばやっぱりバンクーバーとかトロントだよね!
確かにバンクーバーやトロントは人気の高い大都市ですが、ビクトリアという選択肢はいかがでしょうか?
この記事を書く筆者はバンクーバーで1年間Coop留学をしたあとビクトリアに引っ越し、ワーホリなどを経て2024年現在も1年以上ビクトリアで生活をしています。そんな筆者が常々思っているのが、
ビクトリア、めっちゃいいやん…!
というもの。そこでこの記事では、
- カナダに留学に行くことは決めたけど、どの都市がいいのかな?
- エージェントにビクトリアをおすすめされたけど、どんなところなんだろう?
と疑問を持っているみなさんのために、この記事では以下のことを紹介していきます。
- ビクトリアの基本情報
- ビクトリア留学のメリット・デメリット
- ビクトリアに関する疑問点(物価、治安など)
それでは早速みていきましょう。
ビクトリアの基本情報
ビクトリアってどこにあるの?聞いたことないよ!
という人も多いのではないかと思いますので、まずはビクトリアの基本情報を紹介します。
ビクトリアはバンクーバーと同じブリティッシュコロンビア州にあり、同州の州都に定められています。バンクーバー島の最南端に位置する小さな都市で、面積は19.47㎢ほど、東京都の新宿区くらいの大きさしかありません。
さらに高齢者の多い街としても知られており、2021年の調査では人口の23.2%が65歳以上だと発表されました。
ビクトリアの街は見ての通り周りを海に囲まれており、カワウソやラッコ、クジラやシャチといった野生の海洋動物を見ることができます。観光地として人気が高く、夏の繁忙期には世界中からたくさんの観光客でにぎわいます。
ビクトリアの歴史
Songhees, Esquimalt, WSANEC, Tsartlip, Tseycum, Pauquachin, Scia’new, Tsawout and T’Sou-ke Nations…といった先住民族がもともと暮らしていたビクトリア。1700年代後半にヨーロッパ人が入植を始め、1843年、ハドソン・ベイ・カンパニーが西部地方の毛皮貿易の拠点をビクトリアに置きました。
1849年にはイギリス領の植民地となったため、現在でもイギリス風の建築や文化の残る街となっています。ビクトリアというイギリスを感じさせる名前も、もちろんイギリス女王の名前に由来しています。
ビクトリアの気候
「カナダはとにかく寒い」というイメージを持っている方も多いかと思いますが、ビクトリアは実はそんなことはありません。年間通して温暖な気候で、Climate Data(Victoria climate: Average Temperature by month, Victoria water temperature (climate-data.org))によると冬でも最低気温の平均はおよそ3度あり、雪が降るのは年に1、2回ほどです。バンクーバーの冬は「レインクーバー」と呼ばれるほど雨が多いことで知られていますが、ビクトリアではバンクーバーほどは雨は降りません。
ちなみに筆者は2024年の1月にビクトリアでマイナス10度を経験しましたが、これは異常なことだったようです。
ビクトリアの日本の時差
ビクトリアと日本の時差は17時間で、これはバンクーバーと同じです。日本の方が17時間進んでいます。
サマータイム(およそ3月~11月)に入ると、16時間に縮まります。
日本からのアクセス
日本からビクトリアに行く直行便はありません。ビクトリアにはビクトリア国際空港(YYJ)がありますが、日本への便は発着しておらず、基本的にはバンクーバーを経由する必要があります。
バンクーバーから飛行機を乗り継ぐ、バンクーバーからバスとフェリーを乗り継ぐなど、ビクトリアに行くには乗り換えが必須です。
ビクトリア留学っておすすめなの?メリット・デメリットを紹介
留学エージェントなどでは、「ビクトリアは日本人少ないですよ!」と言われることも少なくないかと思いますが、実は意外と日本人が暮らしているビクトリア。(ビクトリアの日本人の多さについて気になる方は、カナダビクトリアは日本人が多い?留学のメリットや住み心地を在住者が紹介!の記事も合わせてチェックしてみてください)
そんなビクトリアへの留学はおすすめなのでしょうか?実際に1年半以上ビクトリアで生活している筆者がメリット・デメリットを紹介します。
メリット①ローカルの人が多く大都市に比べると日本人は少ない
カナダ政府の発表(Profile table, Census Profile, 2021 Census of Population – Victoria, City (CY) [Census subdivision], British Columbia (statcan.gc.ca))によると、ビクトリアの人口は2021年の段階で9万1,687人です。その中でNon-immigrant、つまり移民ではない人(カナダで生まれ育ったカナダ市民を含む)は6万7,650人とされていますが、それに対し移民は1万7,580人です。人口に対する移民の割合は19%くらいです。
一方バンクーバーでは、2021年時の人口が66万2,248人、移民は27万4,360ということで人口の41%ほどが移民ということがわかります。
以上のことから、ビクトリアは比較的日本人が少なくローカルの人が多いと言えるでしょう。「ビクトリアはカナダ人が多い」「ビクトリアは日本人が少ない」というのは確かに正しいですが、大都市に比べ街自体が小さいので人々がダウンタウンや学校に集まりやすく、街を歩いていると日本人をよく見かけます。
メリット②フレンドリーで優しい人が多い
ビクトリアの雰囲気をひとことで表すならば、「のんびりしている」でしょうか。優しい人が多く、店員さんや街行く人もとてもフレンドリーに話しかけてくれます。職場も日本のブラック企業のような雰囲気はなく、穏やかな人が非常に多いという印象があります。
ビクトリアも十分留学生が多いので、英語が苦手な人にも寛容な雰囲気があります。
メリット③カナディアンと一緒に働ける機会が多い
バンクーバーのジャパニーズレストランで働いていた時は、同僚のほとんどが日本人、それ以外はアジアからの留学生という感じで、カナディアンと働く機会を得ることはできませんでした。しかしビクトリアではジャパニーズレストランが少ないため、ローカルの飲食店や老人ホーム、ホテルなど様々なところでネイティブ環境の仕事にチャレンジすることができます。
メリット④治安が比較的良い
経済平和研究所(IEP)が発表した『Global Peace Index 2024(世界平和度指数2024)』ではカナダは11位にランクインしており、これは日本よりも上位となっています。
ビクトリアも例外ではなく治安は良いほうなので、普通に気をつけながら生活をしていれば危険な目に遭うことはないでしょう。アメリカに近いですが、銃もありません。とはいえダウンタウンを歩いているとホームレスや薬物中毒者を見かけることも多く、油断は禁物です。パンドラ・アベニューやゴージ・ロードなど、なかには立ち入ると危ないエリアもあるので予め調べておきましょう。
メリット⑤自然が豊かでアクティビティが楽しめる
ビクトリアは海に囲まれており、カヤックやSUPといった海のアクティビティや、ハイキングなどの山のアクティビティの両方を楽しむことができます。
さらに野生のカワウソやラッコ、アザラシを見ることができ、ホエールウォッチングはビクトリアで大人気のアクティビティの1つです。都会は好きだけど自然も楽しみたいという贅沢な悩みも叶えられるのがビクトリアの魅力です。
メリット⑥気候は一年通して温暖
カナダはどこも極寒なんじゃないの?というイメージを持っている人も多いかと思いますが、そんなことはありません。ビクトリアは日本とそんなに変わらない気候で、雪が降るのも年に1,2回程度、冬でも気温がマイナスになることは稀です。
夏も日本のように蒸し暑くなることはなく、8月でも気温はほとんど30度を超えません。朝夜はしっかりと気温が下がるので、夏でも快適で過ごしやすい気候です。
さて、ここから先はデメリットについても紹介します。
デメリット①学校には日本人が集まりやすい
ビクトリアには日本人が少ないと言われていますが、先述の通り街が小さいため人がダウンタウンに集中しやすいです。学校の数も少ないので、学校には日本人が集まりやすくなります。こちらのサイト→大学付属語学コース University of Victoria(カナダ)|毎日留学ナビ (myedu.jp)では、ビクトリア大学付属の語学学校には英語コースに600人の生徒がおり、35%が日本人と記載があります。単純計算で600人のうち210人が日本人だとすると、かなり多い感じがしますね。
デメリット②街がせまいので退屈するかも
ビクトリアは歩いて一周できてしまうほど街が小さいです。遊園地や動物園といった娯楽施設も少ないので、人によっては退屈してしまうかもしれません。
1年半以上暮らす筆者も実際に、「次の休みは何しよう?もう全て行き尽くした気がする…」という感じで、主に行ったことのないカフェやレストランに行くなどしています。隣の都市に行くのも遠いので、車がないと少し不便です。
デメリット③仕事が見つかりにくい!
街が小さいので仕事の数も少ないです。バンクーバーに住んでいたころと比べ、仕事探しに苦戦しました。バンクーバーでは応募をすればすぐに面接に呼ばれていたのに対し、ビクトリアでは応募しても返信すら来ないことも当たり前といった感じ。
ジャパニーズレストランも少なく、さらに日本人の応募が集中するため、なかなか空きが出ないことが多いです。またビクトリアは夏が繁忙期なので、冬の閑散期にはあまり求人が出ていません。ビクトリアでは英語力や経歴がしっかりしていないと仕事が見つかりにくいことは覚悟しておいたほうがいいでしょう。
デメリット④島なので交通の便が悪い(日本からの直行便はない)
ビクトリア内での交通手段はバスのみで、電車はありません。出かける際はバスを利用しますが、バスは遅れてくることも多いです。さらにビクトリア空港まではバスで1時間ほどかかります。他の都市に旅行に行くにしても、空港が遠いので車がないと不便です。
またバンクーバーまでは水上飛行機で1時間ほど、バスとフェリーを乗り継ぐと4時間ほどかかります。日本への直行便はないので、バンクーバー空港で乗り換えをする必要があります。
デメリット⑤病院の数が少ない、行くのが大変
ビクトリアは病院の数が少なく、どこも患者に対し医者が不足しているようです。ウォークイン・クリニック(予約無しで来院できる診療所のこと)なのに、ウォークインは受け入れられないので予約してくださいと書いてあるところがほとんどです。また、予約電話もつながらなかったり混雑していたりすることが多いです。
さらに大きい病院では、当日予約以外を受け付けていません。営業開始と同時に電話して当日中の予約を取るのですが、この電話もすぐにつながらないことがほとんどです。日本のように病院に気軽にいけないのは、何かあったとき少し不安ですね。
ビクトリアとバンクーバーを比較してみよう!
同じブリティッシュコロンビア州にあり留学・ワーホリで大人気の都市であるバンクーバー。バンクーバーで1年間Coop留学をし、その後ワーホリとしてビクトリアに引っ越した経験のある筆者が、バンクーバーとビクトリアの比較をしてみました。
ビクトリア | バンクーバー | |
日本人の数 | 少なめだが街が小さいのでダウンタウンや学校に集中しやすい | 街を歩けばそこら中に日本人がいるほど多い(日本人が2万8,305人いるとされている) |
学校(語学・Coop)の数 | 選択肢が少ない | 選択肢がかなり多い |
家賃 | 平均家賃:$2,174(1ベッド) | 平均家賃:$2,708(1ベッド) |
公共交通機関 | バスのみ | バス、スカイトレイン(電車)、シーバス |
街の面積 | 19.47㎢(新宿区ほど) | 114.97 ㎢(千葉県柏市くらい) |
仕事機会 | 少ない | 多い |
ビクトリアのほうがバンクーバーよりものんびりとした雰囲気があり、都会の喧騒とは無縁です。ビクトリアは自然も豊かで、野生のクジャクやウサギなどバンクーバーでは見ることのない動物もたくさん見かけることがあります。
しかしビクトリアはバンクーバーに比べ街が小さく娯楽が少ないという特徴もあります。バンクーバーにあるような巨大なショッピングモールや遊園地、水族館はビクトリアにはありません。さらに街が小さい分仕事の数も少なく、バンクーバーと比べると仕事探しが大変です。
カナダのビクトリアに関する気になるあれこれをまとめてみた!
最後に、ビクトリア生活に関する疑問点をまとめていきたいと思います。ビクトリアで暮らすイメージが持ちやすくなるよう、物価や交通、食事や観光といった実際に生活をするうえで気になるポイントをまとめていきます。
ビクトリアの物価は?家賃は?
ビクトリアにあるスーパー(Walmart)を例に、ビクトリアの物価を見ていきましょう。
卵(12個) | 約$4.55~(約492円) |
牛乳(1L) | 約$3.00~(約324円) |
鶏肉(1㎏・ドラムスティック) | 約$10.00~ (約1,080円) |
米(2㎏・ロングライス) | 約$5.50~ (約594円) |
たまねぎ(1㎏) | 約$6.00~ (約648円) |
パン(570g) | 約$2.15~(約232円) |
スーパーによってお肉が安いところ、野菜が安いところなど得意分野が違うので一概には言えませんが、全体的に日本よりは高めです。お米は日本のものを買うと高いですが、安いものであれば5ドル前後で十分な量を買うことができます。
続いてビクトリアのレストラン、ファストフード店を例に、外食の値段を見ていきます。
マクドナルド(ビッグマックセット) | $11.99 (約1,294円) |
スタバ(キャラメルフラペチーノ・トール) | $6.25(約675円) |
コーヒー(ミディアム) | $2.50~$4.00(約270円~432円) |
ラーメン | $17.00~$30.00 (約1,836円~約3,240円) |
ブランチ(プレート、パンケーキなど) | $17.00~$30.00(約1,836円~約3,249円) |
カナダの外食も全体的に日本よりも高いです。これに加えて15%~20%のチップも支払うので、注意が必要です。しかし、コーヒー一杯の値段は日本よりも安いことが多いです。
カナダのミディアムサイズは日本のラージくらいの大きさがあります!
一杯3ドルくらいで飲めるので結構安い。
アパートの平均家賃、シェアハウスのおおよその家賃も紹介します。
アパート(1ベッドルーム) | 平均 $2,174(約234,792円) |
シェアハウス | 約$800~$1,500(約86,400円~162,000円) |
家賃は日本と比べるとかなり高いです。日本では一人暮らしが定番ですが、家賃が高いカナダで一人暮らしをするのはほぼほぼ不可能です。FacebookやCraigslistといった掲示板を使うと比較的安い家賃の家を探すことができますが、個人間のやり取りとなるので安全には気をつけましょう。
ビクトリアの公共交通機関は?
ビクトリアの公共交通は先述の通りバスのみです。バスがあれば基本的にどこにでも行くことができますが、遅れてくることも多く少し不便です。
車社会なので、車があると隣街への移動や買い物が便利です。日本で免許を持っている方は、ブリティッシュコロンビア州の免許に切り替えることが可能です。免許を切り替える方法はカナダBC州で運転免許を切り替えた流れを徹底解説!バンクーバーで運転しよう!の記事で詳しく解説しています。また、タクシーやUberも移動手段としてよく使われています。
ビクトリア大学はどんな大学?
ビクトリアを代表する公立大学といえばビクトリア大学(University of Victoria)です。通称UVic(ユービック)と呼ばれており、バス停などの行き先にもUVicと表示がされています。
学生数約22,000人の大規模な大学で、University of Victoria | World University Rankings | THE (timeshighereducation.com)のサイトの世界大学ランキングでは301~350位の間とされています。
ビクトリア大学には付属の語学学校があり、英語を学びたい人も通うことができます。またカナダで人気のCo-op(コープ)留学プログラムも受講することが可能です。
ビクトリアでおすすめの食べ物は?
フィッシュアンドチップス
アフタヌーンティー
プーティーン
ロンドンフォグ
プーティーンといった定番のカナダ名物の他に、アフタヌーンティーやフィッシュアンドチップスといったイギリス文化ならではの食事を楽しめるのがビクトリアの魅力です。
Crust Bakery(老舗ベーカリー)
Barb’s Fish & Chips (フィッシュアンドチップスの名店)
Beaver Tails(ケベック生まれのスイーツ)
Murchie’s Tea & Coffee(老舗紅茶&焼き菓子店)
Blue Fox Café(人気ブランチカフェ)
ビクトリア生まれの老舗カフェやレストランは多く、人気店は行列ができていることも珍しくありません。ビクトリアにしかない人気店をぜひ訪れてみてくださいね。
ビクトリアでおすすめの観光スポットは?
州議会(無料ツアーあり)
フィッシャーマンズワーフ(シーフード食べるならここ)
ブッチャートガーデン(お花いっぱいの庭園)
ロイヤルBC博物館(自然史や歴史など見ごたえたっぷり)
ビーコンヒルパーク(野生動物だらけの大きい公園)
クレイダーロック城(19世紀に建てられた史跡)
ビクトリアは観光地としても人気が高く、訪れるべきスポットがたくさんあります!観光のベストシーズンは夏です。
ビクトリアでできる留学の方法は?
ビクトリアでは語学留学・ワーホリ・Coopなど様々な方法での滞在が可能です。日本人が少なくローカルの人の割合が多いビクトリアは、英語がたくさん使える留学先として人気が高いです。しかしビクトリアは他の大都市に比べると街が小さいため、学校の選択肢が少なかったり職場が少なかったりといったデメリットも考えられます。
特にワーホリやCoopで現地で働く予定があるという方は、仕事の少ないビクトリアでは職探しが大変になるかもしれません。
【まとめ】ビクトリア留学はおすすめ!留学には自分に合った都市を探そう
カナダに行けるなら留学先はまあどこでもいいや
よくわからないからエージェントの言う通りにしちゃおう
なんて思っている方。留学先が変われば留学経験も出会う人々も何もかもが変わります。留学先選びはとても大きな決断です。ぜひ自分の留学先について、今一度しっかり考えてみましょう!
今回は『カナダビクトリア留学はおすすめ?メリットやデメリットを経験者が紹介【穏やかで暮らしやすい!】』というテーマでビクトリアについて紹介しました。一口にカナダと言っても、カナダにはたくさんの都市があるので、各都市の特徴を下調べして、自分に合う留学先をじっくり探してみてくださいね。
また留学エージェントを利用する際は比較検討をすることも大切です。サポート内容や無料英語レッスンはあるかなど、特徴を比べながらこちらも自分に合ったところを見つけるようにしましょう。
みなさんの留学を応援しています。
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