10月になるとカナダの街にはハロウィンムードが訪れ始めます。スーパーにはかぼちゃが並び、あちこちでハロウィンの装飾を始め、当日に配るためのたくさんのお菓子を用意し始めます。
せっかくカナダにいるんだからハロウィンを思いっきり楽しみたい!
という方へ、この記事ではカナダ在住3年目の筆者がカナダのハロウィン事情について徹底解説します。
仮装はするの?何を食べるの?何をしたらいいの?
という疑問にお答えしていくので、ぜひ参考にしてみてくださいね!
そもそもハロウィンって?起源は?
カナダのハロウィンは日本と同じく、毎年10月31日に行われます。
ハロウィンの起源は、主にアイルランドとスコットランドの伝統に由来しており、ヨーロッパの民族の1つ古代ケルトのお祭り「サウィン」にその起源があると言われています。
10月31日の夜は別の世界との境界線があいまいになるとされ、死霊がこの世界に迷い込むと信じられていました。親戚や親友らなどの良い霊もこの日に家に帰るとされ、火を燃やしたり、ご馳走を楽しむ、いわば日本の「お盆」のような日だったそうです。また、悪魔やお化けなどの怖い仮装をすることで、悪い死霊から身を隠すことができると信じられていました。
この行事はアイルランド人移民によりアメリカで定着し、今や世界各地で祝われるようになりました。現在世界的に人気のハロウィンイベントはアメリカ風のもので、1950年代には「トリック・オア・トリート」の合言葉が普及しました(お菓子を配る風習は製薬会社や映画会社、テレビ局の意向もあったそう)。
カナダのハロウィンのルーツは、1860年代に製菓会社がハロウィン用の宣伝をはじめたのが始まりと言われています。北米で子供たちが仮装した最初の記録は1898年のバンクーバーだったそうです。「北米で」とあるので、アメリカよりも先にバンクーバーでハロウィンの仮装が行われていたようですね。
また製菓会社だけではなく次第に飲食業界もハロウィン商戦に参入しはじめ、バーやクラブで行われる仮装コンテストなどが開催されるなど、1980年以降にはクリスマスの次に大きなイベントになっていったそうです。なお、ハロウィンは祝日ではないので学校や会社は通常通りありますので注意しましょう。
カナダのハロウィンを体験!何するの?どんな感じ?
日本のハロウィンは大人が仮装をして街を歩いたりパーティーをすることが多いような気がするな。
カナダでは子供や家族が楽しむイベントという感じが強いかな?でも大人の留学生の人たちでも十分楽しめるよ!
それではカナダのハロウィンの具体的な楽しみ方を見ていきましょう。
ジャック・オー・ランタンを作る
ハロウィン前にはスーパーでオレンジ色のかぼちゃがたくさん並び始めます。ハロウィンが近づくとかぼちゃをくりぬいて顔を掘り、中にろうそくやキャンドルライトを入れた「ジャック・オー・ランタン」を手作りする家庭が多いです。早く作りすぎると腐ってしまうので、ハロウィン当日の直前に作ることがおすすめです。ハロウィンの日に家の前に飾っておきましょう。
ジャック・オー・ランタンの明かりが点いている家には、「トリック・オア・トリート!」と言ってお菓子をもらいに行っていいというルールがあります。
ハロウィンの飾りつけを楽しむ
10月に入ったあたりから、各家庭でハロウィンの飾りつけがはじまります。カナダの一軒家は日本と比べると敷地や庭が大きいため、飾りつけの規模がとにかくデカい。大きな骸骨がいたり、巨大なカボチャが置いてあったり、様々なキャラクターが並んでいたり、一般の家なのにまるでテーマパークのようです。
ハロウィンの時期には辺りを散歩して、各家の装飾を楽しみましょう!スーパーやホームセンターなどでは装飾もたくさん売られているので、自分の家も飾り付けることができますよ。
期間限定かぼちゃフレイバー
カフェやレストランではかぼちゃを使った期間限定メニューが販売されます。特にパンプキンスパイスのフレイバーが人気なようで、街のあちこちで見かけます。
筆者お気に入りのビクトリアのChocolat Favoris(上の写真)でも、パンプキンスパイスのチョコレートディップが登場していました!ハロウィン期間はかぼちゃスイーツやかぼちゃドリンクが楽しめます。
友達の家や学校でのハロウィンパーティーに参加
学校ではハロウィンパーティーが開催されることが多いです。筆者の経験では、語学学校やカレッジで夜に学校を使ってパーティーをすることもありました。
パーティーのときは大人もみんな仮装を楽しみます!仮装のまま授業を受ける人たちもいて楽しいですよ。
コスチュームを買って仮装しよう!
ハロウィンと言えばやっぱり仮装!カナダでは子供やその家族が仮装するイメージが強いですが、大人向けの仮装も売られており、友達同士で仮装をしてパーティーを楽しむこともあります。
バンクーバーのグランビルストリートにあるVancouver halloween Costume Shop(Merchant OF DREAM. Best costume store in Vancouver.)などでは、ハロウィン専門の店で仮装グッズなどを揃えることができます。
Trick-or-treat!子供はお菓子をもらいに街を歩く
子供たちは近所の家を周り、「Trick or Treat!(お菓子をくれなきゃいたずらするぞ!)」と言ってお菓子をもらいに行きます。ジャック・オー・ランタンに明かりが灯っている家はお菓子をくれるサインとされており、大人たちは家で子供たちが来るのを待ちます。レストランやカフェなどのお店でも、お菓子を配っているところがあります。
これは子供たち(14、16歳くらいまでと決められているところもあり)のみのイベントなので大人は楽しめませんが、子供たちがバケツを持って街を歩いている姿は日本ではあまり見かけないので新鮮です。
割って楽しむピニャータ
ピニャータというのはメキシコ生まれのくす玉のことで、ハロウィンの日にはお菓子を入れたくす玉を天井から吊るし、目隠しをして叩き割るという遊びをすることがあります!なかなか割れないのでスイカ割りの要領で一人ずつ叩き、最終的に割れると上からお菓子が降ってきて盛り上がります。
筆者は昔学校でやったことがありますが、大人になってからでもワイワイ盛り上がって楽しめましたよ!
ハロウィンに関する注意事項!
カナダでハロウィンを楽しむ際の注意事項を紹介します。ルールを守って楽しいハロウィンにしましょうね!
仮装するときは文化の盗用に注意
ハロウィンの仮装をする際は、異文化を尊重しているか、文化の盗用をしていないか、他者を傷つけるものになっていないかといった点に注意が必要です。
黒塗りやドレッドヘアーなど、人や文化を軽視するような仮装をしていないかなどに気をつける必要があり、学校などでは仮装する前にこういったチェック項目をみんなで確認することもあるようです。
配られるお菓子に注意
これは特に子供をハロウィンに参加させる親御さんが注意すべき点ですが、ハロウィンでもらったお菓子は食べる前に一度確認をしましょう。
CBCニュース(Trick or truth? The real story behind Halloween candy tampering | CBC News)によると、過去には下剤入りキャンディが配られたり、キャンディの中に剃刀の刃が入っていたという事件も発生しているそうです。たまに街中で無料でお菓子を配っていることもありますが、もらったものをすぐに食べるのは気をつけたほうがよさそうです。
筆者も街でいきなりキットカットをもらったことがありますが…ちょっと怖くて食べられませんでした。
お菓子がもらえる家の見分け方
先ほども少し触れましたが、訪れて良いのはジャック・オー・ランタンに明かりが灯っている家のみです。ジャック・オー・ランタンが光っていない家を訪れることはトラブルの元なので避けましょう。
また、筆者の住むビクトリアでは、レストランやカフェなどのお店には、シールでハロウィン用のお菓子があることを知らせています。シールのあるお店では、子供たちはお菓子をもらうことができます。
バンクーバーでハロウィンを楽しめるイベントは?
せっかくカナダにいるならハロウィンイベントを楽しんじゃいましょう!ここではバンクーバーのハロウィンイベントをピックアップしてご紹介します。
HowlOver Canada
カナダプレイスにあるFlyover Canadaで行われるハロウィン限定のアトラクションです。Flyover Canadaは、カナダの上空を飛んでいるような体験が得られるディズニーのソアリンのようなアトラクションです。
ハロウィンの時期はハロウィン仕様になった世界の上空を飛んでいく体験をすることができます。
場所 | 201 – 999 Canada Place, Vancouver, BC, V6C 3E1 |
期間 | 2024年10月3日~10月31日 |
料金 | $29~$34 |
公式サイト | HowlOver Canada: Special Hallowe’en Show at FlyOver Canada |
Haunted Village Legends, Tales and Other Stories
10エーカーの敷地の中に様々なおとぎ話(不思議の国のアリスやリトルマーメイド、桃太郎など)に沿ったキャラクターが展示されており、その中を自由に歩くことができるアトラクション施設です。
ハロウィンならではの装飾がなされ、読み聞かせイベントなどもあるそうなので子供のいる家族向けのイベントとしてもおすすめです。
場所 | Burnaby Village Museum – 6501 Deer Lake Avenue |
期間 | 2024年10月23日~10月27日(午後16時~21時) |
料金 | 大人 $10 、子供 $5 (2~12歳) |
公式サイト | Haunted Village | Burnaby Village Museum |
Pumpkins After Dark
屋外のハロウィンイベントで、10,000を超える手彫りのジャック・オー・ランタンが飾られています。
かぼちゃがただ並んでいるだけではなく、音楽やカラフルな明かりと装飾が楽しめ、とても綺麗なイルミネーションを見ることができます。写真映えもしそうです。
場所 | 6100 Boundary Rd, Burnaby, BC V5S 3R2 |
期間 | 2024年10月3日~2024年10月31日(日没時に開場、最終入場午後22時、閉場午後23時) |
料金 | 約$20~$30(日によって異なる) |
公式サイト | Home – Pumpkins After Dark – Burnaby |
【まとめ】カナダでハロウィンを楽しもう!
いかがでしたでしょうか。今回は『カナダのハロウィン事情!イベント情報や当日やること大調査【バンクーバーのイベント情報も】』というテーマで紹介をしてきました。
カナダのハロウィンとは日本とは少し異なっています。特に、子供たちが本当に家を回って「トリックオアトリート!」と言ってお菓子をもらっていたときは、
ほんとにみんなこれやるんだ!ドラマとかアニメだけの話だと思っていた…!
と思って感動さえしたほどです(笑)
ハロウィンは子供向けのイベントではありますが、学校や友達同士のパーティーで仮装を楽しむ機会もあります。
ぜひカナダならではのハロウィンを楽しんでみてくださいね!
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