副業やアルバイトにオンラインの日本語教師をしてみたいという人も多いのではないでしょうか?そこで気になるのが、資格は必要なの?未経験だけど大丈夫?といった疑問です。
筆者は2022年から2年半ほどオンラインで日本語を教えていますが、始めた当初は未経験、さらに今でも資格は持っていません。結論から言うと、日本語教師は資格が無くてもなることができます。この記事では筆者の経験をもとに、以下のことを紹介します。
✅日本語教師は資格が必要?仕事の概要
✅オンライン日本語教師のメリット・デメリット
✅オンライン日本語教師は大変?経験談
✅オンライン日本語教師になれるプラットフォーム など
日本語教師って何するの?資格はいる?始める前に知りたいことまとめ!
国際交流基金(total.pdf (jpf.go.jp))の統計によると、世界の日本語学習者数は379万人以上いるそうです。国別の学習者数はmap.pdf (jpf.go.jp)にまとめられているので、興味のある方はぜひ見てみてください。この統計からも、日本語講師の需要が高まっていることがうかがえます。
筆者の経験上、日本語学習者は上記の場合が多いです。日本のアニメや漫画が好きな子供向けの授業、試験対策者向けの授業、とりあえず日本語が話せるようになりたいという会話向けの授業、日本で働きたい方向けの授業です。
日本語教師になるのに資格は不要
「日本語教師には資格がある」と聞いたことがある人も多いのではないでしょうか?2024年4月より、「日本語教員試験に合格し、かつ、実践研修を終了した者」が「登録日本語教員」になれるという制度がスタートしています。これがいわゆる日本語教師の資格と呼ばれているものです。
資格が必要になるのは、政府の「認定日本語教育機関」で日本語教師として働きたい場合です。たとえば日本国内の留学生に日本語を教える「日本語学校」で働きたいというような場合ですね。オンラインで日本語を教えるだけであれば資格の有無は問われません。オンライン英会話などの英語講師だって、全員資格を持っているわけではないのと同じです。
オンライン日本語教師の時給は?
オンラインで日本語を教える場合、時給は自分で設定できることが多いです。
例えば筆者の登録しているPreply(プレプリー)というプラットフォームでは、50分で5USDから設定が可能です。ひと月に稼ぎたい額と提供可能な授業数を考慮し、自分で時給を設定しましょう。
なおプラットフォームによっては手数料がかかるため、実際の収入は設定した時給よりも少なくなる可能性があります。プラットフォームごとの手数料は必ずチェックしておきましょう。
オンライン日本語教師を約2年半続けている筆者が思うメリット・デメリット
筆者は2022年の1月からオンライン日本語講師を始め、2024年現在まで続けています。今後も長く続けていく予定ですが、筆者がこれまでに感じたメリットやデメリットを紹介します。
オンライン日本語教師のメリット
需要が高く将来的な仕事にもつながる
先ほども紹介したとおり、日本語講師の需要は高まっています。筆者はカナダ在住ですが日本の文化や日本食の人気はカナダでも高く、今後もさらに日本語学習者は増えていくのではないかと思っています。
現時点では生徒数に対し日本語講師の数はかなり少ないです。パソコンさえあれば将来的にも長く続けていける仕事の1つですので、今のうちにスキルを磨いておくと役に立つかもしれません。
世界中の人と繋がることができる
オンラインで言語を勉強する人が多いため、生徒は世界中にいます。筆者の生徒もドイツ、アメリカ、イギリス、イタリアと本当に様々です。パソコン1つで世界と繋がれる仕事はそうそうありません。各国の文化を知ることは、講師にとっても大きな学びがあります。
日本語や日本文化を学び直すきっかけになる
日本語は母国語だから簡単と思っていましたが、実際はそうではありませんでした。「私は」と「私が」の違い、1グループから3グループまでの動詞の活用の違いなど、日本語を教えていると様々なことが上手に説明できないことに気がつきます。
日本語学習者目線に立って日本語を学びなおしたり、日本文化を説明するために調べたりすることで改めて日本に関する理解が深まりました。
日本語は母国語なので始めやすい
とはいえ、日本語は母国語なので比較的始めるハードルが低いことも事実です。特にある程度上級者の人とフリートークをするのみであれば、かなり気軽に始めることができます。
しかしただフリートークをするだけでは日本語学習者のためになっているとは言い難いので、自分なりのレッスンを提供する必要があると筆者は考えます。
オンライン日本語教師のデメリット
スケジュール管理が大変
「レッスンを入れたことを忘れていた」「外国の生徒とのレッスンで時差の計算を間違えた」「家でのんびりしていたらレッスン時間を過ぎていた」というミスが起こりやすいのがオンラインの仕事の特徴です。
「夜寝ているうちに朝のレッスンの予約が入って、気づかずにすっぽかしてしまった」という話もよく耳にします。信頼を失わないためにも、スケジュール管理には気をつけましょう。
授業準備に時間がかかる
多くの日本語講師プラットフォームでは教材が準備されていません。レッスン時間外で教材の作成や授業のために文法を勉強するといった準備時間を割く必要があります。
時給を決定する際は、レッスン準備時間も考慮して設定することがおすすめです。
オンライン日本語教師って大変なの?無資格・未経験で始めた筆者の経験談
オンライン日本語講師を2年以上続けた経験談を紹介します。
「母国語=教えることが簡単」ではない!
やはり母国語だからといって教えるのが簡単というわけではありません。母国語だからこそ、「学習者のわからないことがわからない」という問題が出てくるのです。
「なんで傘(かさ)なのに日がつくと日傘(がさ)になるの?」「食べる→食べない、なのになんで帰る→帰ないじゃないの?」という予期せぬ質問の数々に、初めはかなり戸惑いました。
生徒のレベルを絞ったほうがいいかも
子供から大人まで、初心者から上級者まで誰でも歓迎!とするよりも、✅子供向け✅超初心者向け✅JLPTのN3~N4レベル向け✅フリートークのみというようにレベルを絞ることで授業がやりやすくなります。
作った教材を使い回せますし、そのレベルに関する自分の知識もより深いものになるでしょう。
JLPT(日本語能力試験)とは何かを知っておく
多くの日本語学習者が目標にしているのは、JLPTの受験です。特に日本で働きたいと思っている方は、JLPTの受験が欠かせません。JLPTはレベルごとに覚えるべき文法、語彙、漢字が設定されており、そのレベルに沿って日本語教えることが求められます。「JLPTってなに?」という方は、日本語講師を始める前に一度試験内容をチェックしておきましょう。
公式サイト→日本語能力試験 JLPT
英語は絶対話せた方がいい!自分自身の語学力も上げよう
日本語講師になるうえで、英語が話せると大きなアドバンテージになります。子供や超初心者の方は、まだ日本語が一切話せないため英語でのフォロー、説明ができないと授業が成り立ちません。
英語が話せる日本語講師は限られているため、英語が話せると生徒になってくれる人の母数が跳ね上がります。もちろんその他の言語が話せる場合も同様です。
価格を安く設定しすぎると割に合わなく感じることも
まだ自信ないし資格もないから安めに設定しよう…と思う方も多いと思いますが、先述の通り授業準備の時間も考慮しましょう。あまりに安い値段でレッスンを提供すると、「割に合わない」「稼げないからやめよう」とモチベーションの低下につながってしまいます。
日本語講師の資格は取ったほうがいい?
筆者は現段階では資格はないですが、将来的には資格を取得したいと思っています。プラットフォームやインスタグラムでは「資格有り」を押し出している人も多く、やはり資格があるかどうかを気にする生徒も一定数います。また日本語学校の講師になりたいという方は資格の取得が必須です。
筆者は直近で資格試験を受ける予定はないですが、「日本語教育能力検定試験」の参考書で日本語の教え方や文法を勉強しています。日本語講師になる方は一冊持っておくことをおすすめします。
資格なしでもオンライン日本語教師になれるプラットフォーム・求人サイト6選
資格なし、未経験でもオンライン日本語教師になれるプラットフォーム・求人サイトを紹介します。それぞれの特徴もまとめていきます。
Preply
オンライン学習プラットフォームで登録は無料、未経験無資格でもだれでも講師登録ができますが、Preplyの審査を通過する必要があります。
講師登録が完了したら、あとは生徒が来るのを待つのみです。各生徒との初回レッスンは時給が入らないので注意しましょう。時給は最低5USDから自由に設定可能です。
登録はこちら→Preplyで教える
カフェトーク[Cafetalk]
オンライン学習プラットフォームの1つで、日本語だけでなくその他の言語、音楽、料理など自分の得意ジャンルを教えることが可能です。応募の際は成人であること、現在、高校や大学には在籍していないこと(社会人大学生除く)等の規定があるので注意しましょう。
日本語講師の応募は多いようなので書類選考で不採用となる可能性もあるそうですが、登録自体は無料なので試してみてはいかがでしょうか。時給は自由に設定できます。
登録はこちら→カフェトークでオンライン講師|カフェトーク[Cafetalk]
italki(アイトーキー)
こちらもオンライン言語学習プラットフォームで、資格のない方は「コミュニティチューター」と呼ばれるフリートーク等を行う時給の安い講師として登録することとなります。
Italkiでは言語によっては新規講師の受付をストップしているので、登録前に日本語講師の応募がされているかを確認してください。時給は自由に設定できます。
登録はこちら→言語学習をサポートして収入を得ましょう | italki
NativeCamp(ネイティブキャンプ)
オンライン英会話サービスであるネイティブキャンプが、日本語学習者向けのサービスも開始しました。18歳以上で経験不問、母国語レベルの日本語、インターネットがあることなどが応募の条件です。ネ
イティブキャンプの英会話をやったことがある人はご存じかと思いますが、ネイティブキャンプの特徴は今すぐレッスンです。レッスン可能時間は在宅で待機しておき、誰かが入室してきたらすぐにレッスンが始まるというシステムなので、予約の有無にかかわらずパソコンの前で待機しておくこととなります。
登録はこちら→ホーム|NativeCamp. – 在宅のオンライン日本語会話講師
Japatalk(ジャパトーク)
日本語学習に特化したオンライン日本語学習サービスです。資格は不要ですが、審査はしっかりとしているので言語を教えることに対し熱意がある方、真面目に取り組める方を募集しています。
試用期間の時給は決められていますが、その後は自由に時給の設定が可能です。
登録はこちら→たのしい日本語会話オンラインレッスン|自然で本物の日本語会話力が身に付く|ジャパトーク (japatalk.com)
JEGS
日本語講師に関する求人情報が一目でわかるサイトです。オンライン・オフライン両方の求人が載っており、ざっと筆者が見てみたところ未経験でも応募可という求人もあります。
他のプラットフォームよりも正式な講師としての求人が多いので、アルバイト感覚で仕事を見つけたい人は注意が必要です。募集要項をよく確認し、トラブルがないよう気をつけましょう。
求人情報はこちら→求人一覧:日本語教師 教職 新着順 : JEGS (jegsi.com)
インスタグラムでの集客もおすすめ
日本語講師のなかには、インスタグラムでインフルエンサーとして活動する方も少なくありません。
日本語の勉強動画を発信し、そこから自分のプライベートレッスンへ繋げるという方法もあります。インスタグラムで集客につなげるにはかなりのフォロワー数と影響力が必要ですが、インフルエンサーに興味がある!という方は始めてみるのもおすすめです。
【まとめ】副業としてもおすすめのオンライン日本語講師
オンライン日本語教師は日本語を通して世界中の人と知り合うことができる、楽しい仕事です!
日本語教師は需要も高く、将来的にも役立つスキルとなる可能性も秘めています。いつでもどこでも仕事を行うことができ、海外で暮らしている人にもおすすめの副業の1つだと思います。 ぜひ自分に合ったプラットフォームを見つけ、日本語講師としての経験を身に着けてみてはいかがでしょうか。
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