日本には無い海外の文化の代表的なものといえば、チップですよね。カナダに旅行・旅行に来る方は、チップはいつ払うの?どんな場所で払うの?払い方は?などと疑問が尽きないと思います。
そこでこの記事ではカナダに在住経験のある筆者が、カナダでのチップの払い方、払うべき場所、相場、チップを払わなくてもいい場合などについて解説していきます。
ぜひみなさんのカナダ滞在の参考にしてみてくださいね。
それでは早速見ていきましょう。
そもそもチップってなに?なぜ必要?
チップは、サービスを受けた対価としてスタッフに会計とは別に支払うお金です。英語ではTipと書き、発音はどちらかというと「ティップ」となります。
レストランやホテルなど店員からサービスを受ける場所で店員に対して支払うもので、チップを払うことは法的に必須ではありません。
しかし多くの店員は最低時給で働いており、チップによって収入を増やし生活ができているといっても過言ではありません。そのため多くの人がチップが支払われることを期待しており、チップを支払うことは任意とはいえ暗黙の了解のようになっています。
筆者もカナダのレストランで働いていましたが、体感では9割以上の人がチップを払ってくれていました。そのため、カナダで飲食店などに行った場合には、チップを払うようにしましょう。
カナダでのチップの相場をシーン別に解説
ホテル
ホテルでは様々な場面でチップが必要な場合があります。ここではホテル内ではどんな時にチップを払うのか、相場はいくらなのかを見ていきましょう。
ポーター(荷物を運んでくれる人)
良いホテルに泊まった場合、エントランスでポーターが迎えてくれ、荷物を運んでくれるかもしれません。その際には、一つの荷物につき1~2ドルのチップを払うことが望ましいです。荷物の大きさなどもあると思うので、運んでくれた全体の量を見て、だいたいこれくらいかな、と計算すればオッケーです。
この場合は小銭で直接ポーターにチップを渡します。チップ用の小銭を用意しておきましょう。
清掃員(部屋に置いていくチップ)
毎日清掃が入る部屋であれば、毎日枕元にチップを置いていきましょう。部屋のレベルにもよりますが、ベッド一台につき最低1ドルです。大きめの部屋で良いホテルであれば、ベッド一台につき2,3ドル置いていくこともあります。
また、連泊で清掃不要の札を出しているような場合には、最終日の夜のみ置いておけば大丈夫です。
ルームサービス
部屋で食事をとる場合には、ルームサービスを運んでくれた人にチップを払いましょう。ここで注意したいのが、メニューにすでにチップが含まれている場合があることです。
メニューを見てgratuity included、Service charge includedなどと書かれていたら、すでにチップ代込みの値段ということなので、新たにチップを払う必要はありません。
もし含まれていない場合は、頼んだものの12~15%のお金をチップとして払うようにしましょう。もちろんサービスやホテルのレベルによって、それ以上払ってもオッケーです。
タクシー、シャトル等の送迎
ホテルで予約したタクシー、シャトル等で出かける場合や空港からホテルの送迎があった場合には、ドライバーにチップを払いましょう。
到着した後、無料のシャトルなら一人につき1,2ドル、乗車料金を払う場合にはその12~15%をドライバーに渡してあげましょう。こちらも基本的には現金で払うチップになるので、小銭や細かいお金の準備を忘れずに。
コンシェルジュ
ホテルのロビーにはコンシェルジュがいます。旅行に関する質問(目的地までの行き方やおすすめレストランなど)のスペシャリストなので、何か助けてほしいことがあれば頼ることができます。
簡単な質問であればチップは不要ですが、自分のためにレストランを予約してくれたり、ショーのチケットを購入してくれたり、タクシーや交通手段の手配をしてくれたというような大きな手助けをしてくれた場合には2~5ドルのチップを払うようにしましょう。
ホテル内のバー・レストラン
ホテル内のバーやレストランでも、その他のレストランなどと同じようにチップを払いましょう。良いホテルであれば最近の相場では18%~22%が主流です。
※なおホテルの宿泊代自体にはチップは不要です。ホテル内でサービスを受けた際にその都度払いましょう。
レストラン
街中のレストランのチップ相場は15~20%と言われていますが、最近では18%~22%であることが多いです。
テイクアウトがメインのカジュアルな店であれば15%でいいですが、ちゃんとしたレストランであれば最低ラインが18%であることもしばしば。筆者が働いていたレストランもそうだったので、18%支払うと思っていた方がいいかもしれません。
なお一昔前はチップは支払いの10%と言われていました。現在では「チップ10%=サービスがあまり良くなかった」を意味します。サービスが良くなくてもほとんどの人は最低でも10%は払い、チップ0はほとんど見かけません。
カフェ
カフェでは基本的には、レジで注文し自分で商品を持って席に着く形になると思います。しかし最近ではそれでもチップを払うのが主流。しかしカフェはレストランよりもチップの相場は低く、10%~18%くらいでしょう。
コーヒーを一つだけ買ってテイクアウトをするような場合にはチップを払わなくても構いませんが、払う人が多いのも現状です。このへんは人によるので、お好みでどうぞ。
テイクアウト
レストランでテイクアウトをする場合(ファストフード店を除く)のチップ相場は0~15%です。カナダでは普通のレストランでもテイクアウトができることが多いですが、テイクアウトの場合はサービスを受けるわけではありません。その場で買って帰るだけなので、本来はチップは不要なのですが、それでも支払う人が多いです。
とはいえサービスは受けていないので最低限のチップでよく、10%前後もしくは1,2ドルを支払うのみという人が多いです。カナダで働いていた筆者個人的な考えでは、テイクアウトはチップゼロでもあまり気にしません。
タクシー
タクシー利用にもチップが必要です。乗車料金の10%~15%のチップを払うようにしましょう。
チップを払いたくないという方はUber Rideがおすすめです。日本ではUber Eatsの方が有名ですが、カナダではUber Rideがかなり主流。夜遅くなったときやみんなで相乗りするときなど、アプリ一つでUberを呼んで目的地まで行くことができます。
Uberはアプリ上で先に決済をするので、ぼったくられる心配もなく、車内での支払いは発生しません。使い方についてはこちらの記事で解説しています。
美容院、サロン
美容院やネイル、まつ毛などのサロンを利用した際も、15%~20%のチップを払うようにしましょう。日本に比べてカナダの美容院は全体的に値段が高いです。
それに加えてチップも払うことになるので、カットとカラーだけで400ドル、500ドルなどとかなりの値段になることも珍しくありません。
デリバリー
ピザなどのデリバリーを頼んだ場合は配達員にチップを払いましょう。だいたい一回の注文あたり2~5ドルを渡せば大丈夫です。
大量に重いものを注文したなどの場合や雨などの天気の悪い日は、少し多めに払ってあげるといいでしょう。
チップを払わなくてもいい場所
ファストフード店
マクドナルド、スターバックス、ティムホートンズ(カナダのドーナツチェーン)などのいわゆるファストフード店ではチップは不要です。一切払わなくていいです。
通常カードで支払いをする場合にはマシーンにチップをいくら払うかを入力する画面が出るのですが、ファストフード店ではその画面が表示されないので、日本と同じように会計を済ませてオッケーです。
スーパー
食料品の買い物や、雑貨の買い物などのレジではチップは不要です。カード払いの場合はチップ入力の画面は表示されませんし、現金で支払った場合もおつりは全部返してもらって問題ありません。
フードコート(任意)
フードコートもファストフード店と同じシステムで、レジで注文して自分で席に商品を持って行きます。しかし、フードコートに入っている店はチップ支払い画面を表示させているところが多いです。
フードコートではチップは基本的には支払わなくてよいですが、最近はフードコートでも多少のチップを払うことが多くなっています。払うとしたら10%~15%ですが、これは払いたいと思った時だけで構わないでしょう。
チップの計算方法は?支払い方は?
カード支払いの場合
カナダはキャッシュレス社会です。カナダのレストランで働いていても、現金で支払いをする人はほとんど見かけません。
カードでチップを払う際は、マシーンにこのような画面が表示されます。
ここで払いたいパーセンテージを押すだけ。金額も書かれているので、何%のチップだといくら、ということがわかりやすくなっています。
最近ではレストランでは最低が18%、最高が22%で最初から設定されているところが多いでしょう。それ以外の額にしたい場合は“Custom”のところから自分でチップ額を決めることもできます。また、No Tipも選択できます。
また、自分でパーセンテージもしくはドルを選んでチップ額を打ち込んで支払いをする場合もあります。パーセンテージをタップして15%、などと入力するのが楽でしょう。
カナダに行く際はクレジットカードの準備はマストです。ただしアメリカンエクスプレスは使えないところが多いので気をつけてください。
\カナダで主流のタッチ決済可能!/
現金支払いの場合
現金で支払う場合は自分で額を計算する必要があります。40ドルのお会計の場合は10%が4ドルなので、15%だと6,18%だとだいたい7ドルくらいかな、のように計算して支払いをしましょう。たまに携帯の電卓を使って計算している人も見かけます(笑)
現金でのチップの支払い方としては、例えば40ドルのお会計の場合50ドル札を渡し、“Can you give me three dollars back?(3ドル返してください)”と言えば、3ドルがお釣りとして残り、7ドル分をチップとして払うことができます。もしお釣りがいらない場合は、“Keep the change”と言えば大丈夫です。
カードでお会計をして現金でチップを払う場合
現金を消費したいときはこの払い方がおすすめです。カナダの滞在も終盤になり、現金を使い切りたい、コインを使い切りたいというときは、お会計のみカードで払ってチップを現金で払いましょう。
マシーンではNo Tipを選択し、店員さんに“I’ll tip by cash”と伝えればオッケーです。チップはテーブルの上に残しておくか、その場ですぐに出せるようなら店員さんに手渡ししましょう。細かい小銭はチップで消費してしまいましょう。
ちなみに…サービスが良くなければチップ額を下げてよい
海外に来たらなにがなんでもチップを払わなきゃ!と思っている方も多くいると思います。しかし、チップはあくまでもいいサービスに対する対価です。サービスが悪かった場合はチップ額を下げても構いません。
カナダの人は、けっこうシビアにサービスの良し悪しを見ています。筆者も経験上、ミスをしたテーブルではチップをあまりもらえなかったケースがたくさんあります。店員側も自分がミスしたせいだな、と理解していることが多いので、サービスが良くなかった場合は高いチップをする必要はありません。
筆者もオーダーを全く取りに来ない、とても態度が悪いという店員さんに出会った際には10%~15%のチップで済ませることもあります。
もちろん良いサービスを受けた場合には、チップは忘れずに払うようにしましょう。
すでにチップが含まれているケースも
例えばホテルのルームサービスのように、gratuity includeなどと書かれている場合はすでにチップが含まれているということです。
普通のレストランでこの表記になっていることはまずないですが、例えば7,8人以上の大人数の場合やコース料理などを注文する場合には、初めから15~18%のチップが含まれていることがあります。多くの場合入店時や予約時に説明がされますが、気になる場合はお会計時に“Is the tip already included?”と聞くようにしましょう。
チップを払い忘れた!払わないとどうなる?
結論は特にどうもならない
とはいえ日本人の私たちにはチップは馴染みのない文化。気をつけていても払い忘れてしまうことだってあるかもしれません…。チップを払い忘れたらどうなるのか?という点ですが、結論は特に何も起こりません。「なんでチップを払わないんだ!」と聞かれることは普通はないでしょう。
筆者がレストランで働いていても、ごくまれにチップを一切払わない人がいます。後から店員同士で「チップゼロだった!あり得ない!」とこそこそお喋りすることはありますが(笑)、店から何か言われることが基本的にはないでしょう。
現金、小銭は持って行こう!事前の換金をお忘れなく!
というわけでこの記事では、カナダのチップの払い方、相場などについて解説しました。カナダはカード社会ですが、チップは現金で支払う場面もあります。換金は忘れずにしていきましょう。また、カナダでは、数ドルほどの小さい買い物をする際に50ドルや100ドルを使うことができません。ほとんどの場所で受け取ってもらえないので、気をつけましょう。
お金はできるだけ細かく、そして着いたらコーヒーなどを買って小銭をいくつか準備していきましょう。
チップ文化という日本には無い海外ならではの経験を、ぜひ楽しんでくださいね。
コメント