IELTS(アイエルツ)を受験予定のみなさん、こんにちは。
日本で有名な英語試験といえばTOEICや英検ですが、英語圏で英語力を測る指標としてよく使われるのがIELTSです。
日本ではIELTSにはあまり馴染みがないという人も多いと思いますが、様々な事情で「IELTSを受けなければいけない」という人もいるのではないでしょうか?
そこでこの記事では、カナダでIELTS(General)を受験した筆者が、以下のことについて解説していきます。
- IELTSの基本概要
- IELTSの予約方法
- IELTSの試験当日の流れ
- IELTSを実際に受けて感じた注意点
IELTSの情報がTOEICに比べて少ないなかで、この記事が受験予定の方の参考になると幸いです。それでは早速見ていきましょう。

IELTSとは?テストの基本情報からチェック

IELTS(アイエルツ)は英語の能力を測る英語検定の1つで、英語教育・言語研究機関であるIDP:IELTS Australia、ケンブリッジ大学英語検定機構、ブリティッシュ・カウンシルの3団体が共同で運営するイギリス発祥の英語試験です。
そのため試験で扱われる英語はすべてイギリス英語となります。
テストはライティング・リスニング・リーディング・スピーキングの4技能を測ります。合格・不合格といった形式ではなく、各パート1.0~9.0のバンドスコアで示され、各パートのスコアと総合評価のスコアが出ます。
文部科学省が2016年に作成したデータ(https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/shotou/117/shiryo/__icsFiles/afieldfile/2016/05/24/1368985_15_1.pdf)をもとに、スコア換算表を作成してみました。
IELTS | TOEIC | 英検 |
---|---|---|
8.5-9.0 | ||
7.0-8.0 | 945点~ | 1級 |
5.5-6.5 | 785点~ | 準1級 |
4.0-5.0 | 550点~ | 2級 |
3.0 | 225点~ | 準2級 |
2.0 | 120点~ | 3級~5級 |
IELTSの満点はTOEICや英検よりも難易度が高いです。TOEICの満点(990点)はIELTSだと7.5くらいですね。
IELTSは単純な英語能力以外に、文章の組み立て能力や問題に対し的確な答えを出せているかも評価基準に入ります。そのため、調べてみるとネイティブでも満点(9.0)を取るのは難しいとされているそうです。
IELTSは英語圏の国に留学、就労、移住をする際に必要になることが多く、その際は6.0もしくは6.5以上のスコアが求められるでしょう。
まずは予約から!IELTSの予約&確認方法を解説
IELTSの予約はオンラインで行うことができます。
予約はこちら→IELTS | Find an IELTS test centre near you

受験したい国と都市を入力し、“Apply Filter”を押すと会場とテスト形式(ペーパーかコンピューター)が表示されます。受けたい会場を選び、自分の受けたい試験の種類を選んで予約していきましょう。
One Skill Retakeは、コンピューター版IELTSを受けた人が試験日から60日以内に1技能だけ再受験をすることができる制度で、UKVI Approvedはコンピューター版でのみ可能な英国(イギリス)へのビザ申請に必要な英語能力証明テストのことです。該当しない場合はチェックを入れる必要はありません。

ペーパー版なのかコンピューター版なのか、GeneralなのかAcademicなのかを間違えないように!!
またIELTSの受験料は国や都市によって異なるそうです。筆者が受験した際は359カナダドルでした。日本では27,500円となっていますが、受験方式や受験会場によって値段が多少異なる場合があります。



なんにせよ高いので、適当な気持ちでは受けられないね。
予約が完了したら、予約確認メールが届きます。
カナダでIELTSを受けてみた!IELTS当日の流れや持ち物を紹介
というわけで、カナダのビクトリアという都市で2025年7月5日にIELTSを受けてきました!
その時の当日の流れや様子をシェアしていくので、これからIELTSを受けるという方は参考にしてみてくださいね。
なお、私の当日の会場を簡単に図に表してみました。およそ下の図のような感じです。(もちろん中は携帯NGなので写真撮影不可)


まずはメールで来る予約内容を再度確認しておきましょう。試験の3日ほど前にリマインダーが来たのですが(以下のメール)、


なんと、私の予約したスピーキング試験日時とは違う日程が送られてきました!!



私の予約は7月4日の16:30だったのですが、直前で7月5日の14:20に変更になっていました…
日時は勝手に変更される可能性があるようなので、予定を入れてしまわないよう十分注意が必要です。私は仕事を入れていたので、慌てて休みを取ることになり大変でした。
また、会場の住所もメールに記載があるのであらかじめ確認しておきましょう。



当日、会場を間違えてしまった他の受験者を見かけました。IELTSは遅刻厳禁です。
IELTSの持ち物ですが、絶対に必要なものは予約時に使用したパスポートのみです。
参考:【重要】IELTSペーパー版は黒インクペンのみ使用可能となります
黒インクのペンは、試験当日にテストセンターが用意することとなっており、自身の筆記用具(ペン・鉛筆など)の持ち込みはできません。



持って行ったとしてもロッカーに預けるように言われるだけなので特に問題はないけど、使用するのはボールペンということはあらかじめ知っておいたほうがいいかも。
また、水の持ち込みは可能です。その際は完全に透明なペットボトルに入れてラベルも剥がす必要があります。水以外の飲み物は持ちこめませんので注意しましょう。
私の今回のIELTS会場は、カナダビクトリアにある語学学校の1つでした。ビクトリアでは語学学校が試験会場になることが多いです。
会場には、到着時間を守って遅刻しないように向かいましょう。リマインダーメールに、集合時間と入室締め切り時間が記載してあります。
今回は集合が8:00、締め切りが8:30、試験開始が9:00でした。



私は集合時間ぴったりに行きましたが、建物の外には受験者が集まっていました。
まずは受付に並びました。ここで受け付け後すぐ荷物を預けること、携帯の電源は切ること、受付後はトイレに行けないので先に済ませておくことを伝えられました。
受付ではパスポートを見せ、名前、パスポート番号、顔をチェックされました。また携帯の電源がちゃんと切られているかも確認されました。



パスポートはカバーも取るように言われました!とにかく徹底して厳しい。
そしてここでそれぞれ番号を割り当てられます。私は「17」でしたが、これは荷物を預ける際やこの後の写真撮影時などに使う番号なので、記憶しておきましょう。
受付が済んだら、荷物を預ける部屋へ通されました。ここにパスポートと水以外の荷物をすべて預けます。



私の会場ではそれぞれの番号に対応するカゴに入れておくだけでした。
なお上着は着て入っても良いですが、試験中に着脱することはダメとのことでした。
荷物を預けたら、ロビーのイスで少し待機します。
ロビーのイスで順番を待ち、別室で写真撮影をします。この写真は成績証明書(Test Report Form)に使用されるそうです。そのあとはハンド型金属探知機を使って身体チェックをされます。まるで空港の保安検査場のよう…。



前、後ろ、さらに両方の靴までしっかりチェックされました!徹底した不正対策。
これが終わると、実際に試験を受ける教室に案内されました。学校の教室、という感じで、一人用のイスと机のセットが並んでいました。
ここで、全員がそろうまで待機します。この待機時間が長くてちょっと緊張しました。今回は全部で20人くらいだったと思います。
全員がそろったら、試験の注意事項が読み上げられて試験開始です。私のときは、リスニング→リーディング→ライティングの順番で行われました。
リスニング | 40分(内10分は解答用紙に答えを転写する時間) |
リーディング | 60分 |
ライティング | 60分 |
合計 | 約3時間(解答用紙の配布・回収時間も含む) |
---|
セクションの間に休憩は一切ありません。トイレはに行けるタイミングは、リーディングの最初の50分、ライティングの最初の50分のみです。
リスニング中はトイレは一切禁止(音声の再生が終わった後も禁止)、各セクションの最後の10分間および解答用紙・問題用紙の回収・配布中も禁止となっていました。



私は一度もトイレに行きませんでしたが、肩と首がかなり凝ったので1回くらいトイレに行った方がいいかも…。
というわけで9:00から12:10くらいまで試験を受けました。私の場合はスピーキングは同日の14:00からだったので、時間を潰してまた会場に戻ることになりました。
スピーキングテストは、試験開始予定時間の20分前に受付をするよう言われました。私の場合は試験開始が14:20だったので、14:00に会場へ戻りました。
またそれよりも早く戻ってきた場合は建物の外で待つよう指示がありました。
受付の流れは先ほどと同じで、荷物も再度すべて預けます。スピーキング試験も、ラベルをはがした透明の水の持ち込みは可能でした。身体検査ももう一度行いました。
荷物を預けて3分ほどイスに座って待つとすぐに試験官が来て名前を呼ばれ、試験官について教室に入りました。スピーキングテストは一対一で行われ、レコーディングをされます。
質問はかなりランダムで、質問数もかなり多かったです。
スピーキングテストは15分ほどで終わりました。思ったより巻きで終わったので、テストの開始予定時間に私のスピーキングテストは終了していました。
全て終わったら解散です!荷物をまとめて、おうちに帰りましょう!



ちなみに私はこのIELTSのあと仕事に行きました。が、めちゃくちゃ疲れたのであまりおすすめはしません。
IELTSの結果はいつ出るの?


IELTSの結果は、コンピューター版は試験日から1~5日後、ペーパー版は試験日から13日後にオンラインで確認することができます。
なお公式サイトによれば、オンラインで公開される結果は暫定的なものであり、成績証明書に記載されたバンドスコアが正式なものとなるそうです。
成績証明書が自宅に届くタイミングは以下の通りです。
ペーパー試験の場合 | オンラインで閲覧開始後、テストセンターより順次発行・発送。自宅への到着へはオンラインで確認後最大1週間。 |
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コンピューターの場合 | オンラインで閲覧開始後、成績証明書の郵送を希望の場合は、試験日より7日以内に受験生ポータル内、各種申請よりリクエストを送信。 |



私はペーパー版だったので結果が出るまで13日も待たなければいけません!ちなみにこの記事を書いている今はまだ結果が出ていないのでドキドキ!!!
IELTSの注意事項は?知っておくと安心できる情報をシェア!


最後に、筆者が実際にIELTSを受けてみて感じた注意点をシェアしていきます。



試験当日はめっちゃくちゃ緊張して、ちょっとのことで不安になっていました!あらかじめ本番の様子を知っておくことで、少しでも落ち着いて試験に臨みましょう!
氏名・受験番号等を書くことを忘れない!
解答用紙が配られたら、氏名・受験番号・会場番号・試験日を記入する時間が与えられます。氏名と受験番号は机にラベルが貼られており、会場番号と試験日は前の黒板に記載されていました。間違えないように書き写しましょう。



なお、筆者は氏名を名前→苗字の順ですべて大文字で書きましたが、書き方にはあまり細かい指定はなさそうです。
また、試験によってはGENERALもしくはACADEMICのどちらかにチェックするものもありました。
なお、問題用紙にも同じように氏名等を書く必要があります。問題用紙を配られた後に指示があるので、忘れずに記入しましょう。※問題用紙も回収されます。
また、ライティングでは解答用紙が足りない場合に追加で用紙をもらうことができます。その際は追加の用紙にも氏名等を記入する必要があるので、忘れずに書きましょう。
飲み物は透明なボトルに入った水のみ!ラベルもはがそう
IELTSには飲み物を持ちこむことができますが、透明でラベルのないペットボトルに入った水のみOKでした。水以外の飲み物は禁止です。



会場でお茶を持ちこもうとして揉めている人がいましたが、結局断られていました。
水は必須ではありませんが、休憩なしの3時間のテストなので具合が悪くなることを避けるためや気分転換のためにも、水はあったほうがいいと感じました。
ライティングの2枚目の解答用紙は早めにもらっておくと◎
先述の通りライティングパートでは、解答用紙が足りなかった場合2枚目、3枚目をもらうことができます。私はギリギリまで1枚目に書いて、試験が終わる10分ほど前に「やっぱり足りない!」となって2枚目をもらいました。
しかし、2枚目にも氏名等の情報を書かなければならないこと、試験官が用紙を持って来るのに少し待たなければいけないことなどから、少しタイムロスをして焦ってしまいました。
2枚目は念のため早めにもらっておいて、余裕を持って取り組むことがおすすめです。
テスト中は上着の着脱禁止!取りに行くこともできない
テスト会場に上着を着て入ったら、途中で脱ぐことはできません。同じように、上着を着ずに会場に入ったら、途中で上着を取りに行くことはできません。
袖をまくることは可能なので、調節しやすい服装がおすすめです。



筆者は薄手の長袖シャツを着て、試験中は腕まくりをしていました。
【まとめ】IELTS当日の流れをあらかじめチェックして落ち着いて試験に臨もう!


というわけで、IELTSの試験の流れと注意点を紹介しました。
IELTSを受けて感じたのは、とにかく不正防止のためセキュリティが厳しいということ!TOEICとは全く違う、厳かな雰囲気が流れていました。特にカナダでは永住権のためにIELTSのスコアが必要なことが多いので、受験者の必死さも緊張感を高めていたように感じました。
3時間ぶっ通しのテストなので、とにかく気合いを入れていきましょう。できれば試験前に、本番の環境にできるだけ近い形で練習しておくことをおすすめします。
できるだけリラックスできる格好で、水を用意して、万全の状態でIELTSが受けられるよう準備していきましょう!試験会場と持ち物、時間の確認はくれぐれも忘れずに!!
ここまでお読みいただきありがとうございました。みなさんのIELTSを応援しています。


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