カナダのビクトリアは留学や観光人気の都市ですが、そんなビクトリアからフェリーで簡単にアメリカに行けることはご存知でしょうか?
その名も、Black Ball Ferry(ブラックボールフェリー)。そしてこのフェリーで約90分ほどで、Port Angels(ポートエンジェルス)というワシントン州にあるアメリカの都市に行くことができるのです。
さらに魅力的なのが、ビクトリアのダウンタウンからポートエンジェルスのダウンタウンまで直通で行けるということ!地図で見るとこんな感じです。


これは船で行けるわ、っていう距離だよね。
ポートエンジェルスは間違いなく、ビクトリアから一番近いアメリカの都市なのではないでしょうか?ビクトリアに住んでいる方の気軽に行ける海外旅行先として、かなりおすすめです。
ということでこの記事では、以下のことについて紹介していきます。
- Black Ball Ferryの概要
- Black Ball Ferryの予約の取り方
- Black Ball Ferryの乗り方
- Black Ball Ferryの船内の様子
- ポートエンジェルスの観光スポット
ぜひ旅行の参考にしてみてくださいね。それでは早速見ていきましょう!
Black Ball Ferryとは?


まずはBlack Ball Ferryの概要から紹介していきます。
Black Ball Ferry Lineというのはアメリカの船舶会社の名前で、このフェリー自体の名前は“the M.V Coho”です。1959年に運航を開始した歴史ある船です。
乗客は1,000人ほど収容でき、約115台の車や自転車も載せることが可能です。
船内はカフェテリア、デッキ、ペット可能エリア、ギフトショップ、トイレなどの施設が充実しており、広々としていて散策も自由です。



シアトルに行くFRS Clipperは座席指定で船内は歩き回れるスペースもなく狭かったのに対し、Black Ball Ferryは自由度が高くて快適。
運航スケジュール
Black Ball Ferryの運行スケジュールは季節によって異なります。時期や日付によってかなり細かくスケジュールが変わっているので、自分の旅行する日のスケジュールは必ず確認しておきましょう。
例えば2025年の9月1日と2日のスケジュールは以下のようになっています。
ビクトリアの出発時間 | ポートエンジェルスの出発時間 |
---|---|
6:10 am | 8:20 am |
10:30 am | 12:45 pm |
3:00 am | 5:15 pm |
7:30 pm | 9:30 pm |
船の本数も多く、日帰り旅行がしやすいですね。ビクトリアで6:10amのフェリーに乗って、帰りはポートエンジェルスを9:30pmに出ればたっぷり旅行が楽しめそうです。
さて、冬のスケジュールも見てみましょう。以下は2025年10月4日から1月3日のスケジュールです。
ビクトリアの出発時間 | ポートエンジェルスの出発時間 |
---|---|
10:30 am | 8:20 am |
4:00 pm | 2:00 pm |
本数がめちゃくちゃ減りましたね!これでは日帰り旅行は難しそうです。



日帰り旅行するなら絶対に夏。冬は一泊しないとちょっときついかも。
このスケジュールは毎年変わるので、公式サイトで必ず最新の情報をチェックしておきましょう。
料金
2025年9月現在の乗船料金を見ていきましょう。
片道 | |
---|---|
大人(12歳以上) | $23.00 |
こども(5歳~11歳) | $11.50 |
4歳以下 | 無料 |
車とその運転手(18フィート以下) | $78.00 |
18フィートを超える場合 | 1フィート毎に$5.75 |
自転車 | 無料 |
ここで注意してほしいのが、この値段はすべてアメリカドルで表記されているということです。現状のレートだとカナダドルに換算すると高くなりますので気をつけましょう。
また、車を乗せる際は運賃とは別に予約手数料がかかります。これはキャンセルをしても返金の対象にはなりません。
車の予約手数料 | |
---|---|
片道 | オンライン:$12.00 窓口/電話:$16.00 |
往復 | オンライン:$18.00 窓口/電話:$26.00 |
そのほかにもバイクやサイドカーを乗せる場合など、細かい料金設定は公式サイトで確認することが可能です。
Black Ball Ferryの予約の取り方を紹介
では、Black Ball Ferryの予約方法を紹介します。
当日に乗り場の窓口でも買えるようですが、確実に乗れるとは限りません。ましてや車を乗せるのであれば、予約は間違いなく必要でしょう。



予約はオンラインですぐにできるよ!
まずは公式サイト(Black Ball Ferry Line | Daily Departures to Victoria and Port Angeles)にアクセスします。


まずはRound Trip(往復)かOne Way(片道)かを選択します。
さらにStarting Point(どこを最初に出発するか)を選びます。ビクトリアもしくはポートエンジェルスですね。
そしてMethod of Travelです。徒歩、車、バイク、自転車の中から選択し、Book Nowを押しましょう。


続いて乗船人数を選択し、


次の画面で日付を選択します。
Select Dateを押すとカレンダーが表示されるので、まずは出発する日を選択します。
この次の画面は戻ってくる日を選択します。日帰りであれば、同じ日を選びましょう。


続いては時間の選択です。“Available”となっていれば、まだチケットが空いているということです。好きな時間を選びましょう。
行きと帰りの時間を両方ここで選択します。
さらに、ホテルの情報も表示されます。もしホテルの予約も考えている場合は、ここでまとめて予約できるようです。
ホテルの予約が不要な場合は、“Skip to Checkout”を押すとスキップすることができます。


続いて名前や住所などの個人情報を入力していきます。
パスポートなどの公的身分証明書の記入も必要です。


というわけで、このように予約確認の画面が出てきます。
これが正しければ、画面下部にある支払い情報の入力に進みましょう。
最後にSubmit Paymentを押せば予約完了です。予約確認メールが登録したメールアドレスに届きます。
Black Ball Ferryの予約の変更の仕方は?
私は今回、1度予約時間の変更を行いました。



朝6時10分のフェリーを予約してたんですが、「早すぎる」と思って1本遅いものに変更することにしました。
Black Ball Ferryの時間変更はオンラインではできません。


確認メールの下部に書いてあるのですが、電話で予約の変更を伝える必要がありました。



電話って面倒に感じるけど、「OK!」と言われて本当に一瞬でした!次の瞬間には予約変更メールが送られてきました。
ちなみに車やバイクの枠はすぐ埋まってしまうので、徒歩に比べて予約の変更が難しくなります。
Black Ball Ferryに乗るための持ち物を解説
Black Ball Ferryに乗るための持ち物を確認していきましょう。
ダウンタウンから気軽に乗れるフェリーですが、国際線なので必要なものがいくつかあります。
パスポート(超重要)
ビザ(持っている場合)
予約確認メール(念のため)
パスポートはもちろんですが、カナダでビザを持っている場合はカナダに再入国する際にビザが必要となります。また予約確認のメールはすぐ出せるように保存しておきましょう。
さらに、アメリカで使えるクレジットカードや現金があると便利です。たいていの支払いは現金で可能ですが、ホテルでのチップやバスの運賃の支払いに現金を使う可能性があります。
Black Ball Ferryのフェリー乗り場の様子は?
Black Ball Ferryのフェリー乗り場と乗船の様子についても紹介していきます。



国境を超えるのでもちろん審査があるよ!!
Black Ball Ferryのフェリー乗り場【ビクトリア側】


ビクトリア側のフェリー乗り場は、ダウンタウンのインナーハーバー付近にあります。徒歩で乗船する場合は30分前までには着いておきましょう。



この日はなんかめちゃくちゃ間違えて1時間半前に来てしまった。


中に小さいカウンターがあるのですが、ここで予約している旨と名前を伝えてチケットをもらいます。(ここで当日購入することもできるようです)


チケットを2枚もらいました。2人だから2枚なんだと思ったのですが、片道1枚で2人分でした。1枚は帰りのチケットなので、無くさないようにとっておきましょう。
時間になったらゲートがあいて、出国前の審査がありました。聞かれたことですが、
- 何泊するのか
- カナダに住んでいるのか、カナダでのステータスは何か
くらいです。空港ほど厳しくありません。パスポートを見せて、指紋の採取を行いました。また、入国管理料の支払いもありました。



カナダ人・アメリカ人以外の人は別室でこの支払いをする必要があるようです。
この審査が済んだら乗船することができます。
Black Ball Ferryのフェリー乗り場【ポートエンジェルス側】


ポートエンジェルス側の乗り場は、港の中心部にあります。徒歩の場合は出航の30分前に到着しておきましょう。
こちらもカウンターがあるので、もしまだチケットを引き替えていない場合はそこでチケットをもらいましょう。


ポートエンジェルス側の待合室はイスが多かったです。さらにBlack Ball Ferryの歴史に関する展示もあり楽しかったです。
また、ポートエンジェルス側では紙に乗船者情報を記載して乗船前に係員に渡す必要があります。待合室のカウンターに置いてあるので、名前と住所などの情報を書いて待機しておきましょう。


さらに、カナダに到着したときに必要になる上の写真の紙ももらっておきましょう。こちらは船の中で記入すればOKです。



武器持ってますか、とかそういう持ち込み規制に関するやつですね。
アメリカ・カナダでの入国審査の様子
アメリカやカナダに入国するときは、もちろん入国審査があります。空港ほど厳しくないので安心ですが、やはり入国審査は緊張するもの。どんな感じだったのかを紹介します。
アメリカに入国する際の入国審査
下船後列に沿って進んでいき、順番に入国審査を受けていきます。私は2人で行きましたが、2人一緒に入国審査を受けることができました。



審査の雰囲気はめっちゃゆるかった!他の人たちも、審査官と友達のように話していたり、笑いあったりと空港ではまず見ない光景。
まずはパスポートを見せるのですが、いきなり「こんにちは~!」と挨拶されてびっくりしました(笑)聞かれたことですが、
- 何泊するのか
- カナダでは何をしているのか(ビザの内容や仕事など)
乗船前の審査と同じですね。荷物検査も特にありませんでした。
カナダに入国する際の入国審査
カナダに戻ってくる際ももちろん入国審査があります。こちらも聞かれることは一緒で、
- カナダでは何をしているのか(ビザの内容や仕事など)
です。
そして現在のビザを提出するように求められます。ビザは原本を持って行ったほうがいいでしょう。また、持ち込み品に関する申告書も提出します。
こちらも荷物検査はありませんでした。
Black Ball Ferryの船内の様子を写真付きで紹介


それではBlack Ball Ferryの船内を紹介していきます!



ビクトリアからバンクーバーにいくBCフェリーよりは小さめ。


船の先端部分です。このデッキには自由に出ることができます。自転車止めがあり、自転車を押して乗船することが可能です。



ちなみにポートエンジェルスは交通手段が限られているので、自転車あるとめっちゃ楽だなと思いました。


船内のイスの数はかなり多いので、座れないということはないのではないかと思います。
見ての通り、船内はちょっと古めです。クラッシックな船の感じがあってかっこいいですね。


また船内にはカフェテリアがあります。焼き菓子、フルーツ、ホットドッグやポテト、スープなどの軽食やコーヒーなどのドリンクがそろっていました。


こちらクラムチャウダー。ミルク感が強めでした。自分でカップに注ぐ形式でした。



Black Ball Ferryの名物っぽいです。おいしかった!
船内での支払いはすべてアメリカドルなので注意しましょう。


デッキにも席があり、お散歩をするのも楽しいです。この日は涼しい程度でしたが、風が強くて結構寒いので要注意です。晴れている日は景色がいいので写真を撮るのにも絶好です。


ちなみにちゃんとトイレもあります。思ったよりきれいでした。


ちなみに写真ではわかりずらいですが、夜の船からは物凄くたくさんの星がきれいに見えました。夜に乗る際はぜひデッキに出てみてくださいね。
【まとめ】Black Ball Ferryで気軽にアメリカ旅行!


というわけで、Black Ball Ferryの乗り方について詳しく紹介をしました。
ポートエンジェルスの山々は、ビクトリアから見えるくらい近いのです。実際にBlack Ball Ferryでも、90分ほどで着くことができます。
せっかくビクトリアにいるなら、この機会をものにしないわけにはいきませんね!



船でアメリカ旅行なんてめったにできないチャンス!貴重な経験をしておくのはどう?
ビクトリアはアメリカとの国境がかなり近い都市なので、滞在中はぜひアメリカ旅行も楽しんでみてはいかがでしょうか。アメリカに行く際はSIMの変更や海外旅行保険などの手続きもお忘れなく!
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